どんな料理か
メニューには炸牛蒡(揚げゴボウ)と書かれていますが、実際はさつま揚げの一種で、ゴボウをすり身に混ぜるか包むかして揚げたものです。台湾で甜不辣や天婦羅と呼ばれる、魚のすり身を揚げた食品の仲間で、衣をつけて揚げる日本の天ぷらとはまったく違います。
生い立ち
この種の揚げた練り物は、日本統治時代に台湾へ伝わりました。日本の関東や東北では、発祥の地である鹿児島にちなんでさつま揚げと呼びますが、九州や西日本では天ぷらと呼び、台湾に持ち込んだのは九州の人たちでした。台湾ではこれが甜不辣という言葉になります。字面はおおよそ「甘くて辛くない」ですが、音をまねただけで、味とは関係ありません。日本にもゴボウを使ったものがあり、棒状のゴボウにすり身を巻いたごぼう天がそれです。
広まるにつれて呼び名も変わりました。北部では甜不辣や天婦羅と呼ぶことが多く、一つひとつがずっと小ぶりです。南部ではおもに黑輪(おでん)と呼びます。食文化作家の焦桐氏は、台湾式のものは基隆の廟口の屋台で生まれたのかもしれないと述べています。
作り方
魚をたたいて弾力のあるすり身にし、でんぷんや砂糖などの調味料を加えることもあります。生のゴボウは皮をむいて切り、すり身をまぶすか、すり身に混ぜ込みます。表面がカリッとして、中のゴボウに歯ごたえが残るように揚げます。油っぽさを抑えるため、低めの温度で揚げる作り手もいます。
食べ方
軽食やおかずとして食べます。魚入りビーフンの店ではサバヒーのビーフンスープに添えられ、練り物の屋台ではつみれやおでんと一緒に揚げ物の盛り合わせになります。最初はやさしい味で、噛むほどにゴボウの土の香りが立ってきます。
台湾各地では
- 高雄
- 塩埕の大溝頂虱目魚米粉では、揚げゴボウをサイドメニューとして出しています。同じく塩埕の第一公有市場にある山壹旗魚食製所は、毎朝たたいたカジキのすり身で生のゴボウを包みます。


