どんな料理か
パイナップルケーキ(鳳梨酥、フォンリースー)は、ケーキというよりショートブレッドのタルトに近いお菓子です。バター、小麦粉、卵、砂糖で作るほろほろの皮が、濃厚なパイナップルジャムを包んでいます。餡はパイナップルに冬瓜を合わせたものが多く、パイナップルだけのものは土鳳梨酥の名で売られます。こちらは酸味が強く、繊維も感じられます。箱入りのセットは、台湾で最もよく売れるお土産の一つです。
生い立ち
パイナップルが主要な作物になったのは日本統治時代です。日本の実業家が多くの品種を持ち込んで加工工場を建て、1930年代後半には台湾は世界第3位のパイナップル輸出地になっていました。
今のかたちの菓子は、その後の生産過剰から生まれました。1970年代に輸出が落ち込んで果実が売れ残ると、伝統的な中華菓子(漢餅)を作る店の一部がパイナップルを餡に使い始めます。当時の果実は酸っぱく、筋っぽいものでした。職人たちは、稲作の合間に田んぼで育てる安い冬瓜を、砂糖や麦芽糖と一緒に煮詰めて食べやすくしました。さらにさかのぼって、婚礼で配られた丸いパイナップル菓子を起源とする説もあります。
台中は発祥の地を名乗っています。2007年初めには、台北がお土産としてパイナップルケーキを売り出したことに台中の当局者が反発しました。その後、パイナップルだけの餡が復活しています。代表的な店の一つ、微熱山丘(SunnyHills)は2008年に南投で創業し、契約農家から地元の果実を仕入れています。
作り方
生地は、バターに粉砂糖を加えてすり混ぜ、小麦粉と卵、多くの場合は粉乳も加えて作ります。昔はラードが使われていました。餡は、刻んだパイナップルを砂糖と麦芽糖で、とろみとつやが出るまで煮詰めます。冬瓜を加えることもあります。生地を一つずつ餡玉に巻きつけ、長方形の型に押し込んで、表面がうっすら色づくまで焼きます。工場では酸味をそろえるためにクエン酸を加えます。
食べ方
パイナップルケーキの多くは、友人や家族、同僚への贈り物として箱で買われます。台湾語でパイナップルを指すong-lai(王梨)は「繁栄が来る」という言葉と音が似ているので、縁起のよい手みやげになります。常温で、烏龍茶などのお茶と一緒に食べます。お茶と一緒に試食を無料で出してくれる店も多くあります。
台湾各地では
- 高雄
- 左営の中外餅舖には、1905年までさかのぼる記録が残っています。当時、一家は北門近くの旧市街の路地で商いをしていました。台湾の形をしたケーキには、在来種のパイナップルだけを使った餡が入っています。
- 北部
- 台北市は2005年から毎年、パイナップルケーキのフェスティバルを開いてきました。そのコンテストを機に、米や台湾茶を使ったものなど、変わった餡や生地に挑む店が増えました。
- 中部
- 台中は太陽餅とともにパイナップルケーキの本場を名乗り、コンテストを開いて菓子店に順位をつけてきました。南投の微熱山丘は、八卦山のふもとにある中庭つきの伝統家屋で、パイナップルだけの餡のケーキをお茶と一緒に出しています。

