どんな料理か
基隆の揚げパンサンドは「營養三明治」、直訳すると「栄養サンドイッチ」の名で売られています。食パンではなく、細長い楕円形のパンを使います。生地にパン粉をまぶして揚げ、熱いうちに切れ目を入れて、ハム、煮卵、トマト、きゅうりを詰め、甘いマヨネーズをたっぷりかけます。沙拉船(サラダボート)とも呼ばれます。
生い立ち
このサンドイッチは1950年代か1960年代に生まれました。朝鮮戦争やベトナム戦争でアジアに来た米軍の寄港地だった基隆の歴史と結びついています。遲という姓の男性が考案したとする説もあります。よく知られた話では、故郷を恋しがる兵士たちが、地元の材料で本国の味を再現しようとしたといいます。
名前の背景には小麦粉をめぐる政治があります。1950年代、アメリカ産の小麦粉が大量に入ってきました。1962年には米国の援助関係者と製粉業界の後押しで委員会が設けられ、小麦食品は体によいと宣伝される一方、米は低く見られました。委員会は米国からドーナツの揚げ機を持ち込み、買い物客の前でパンを揚げてみせました。パンが栄養の象徴になったので、パンのサンドイッチを「栄養のある」食べ物として売れたわけです。
今の基準でいえば、栄養食とはいえません。ある試算では1個およそ600kcalで、その大半は油とマヨネーズです。基隆の廟口夜市から、台湾各地の夜市へ広まりました。
作り方
パンは生地から作り、屋台で細長い楕円形に整えます。溶き卵とパン粉をつけ、きつね色にカリッと揚げると、ホットドッグ用のパンほどの形になります。熱いうちに縦に切れ目を入れ、内側にマヨネーズを塗ります。そこへハム、トマト、きゅうり、煮卵を詰め、仕上げにもう一度マヨネーズを絞ります。パンが重くならないよう、屋台では油から上げたらすぐに具を詰めます。
食べ方
軽食として熱いうちに買い、その場で食べるか、夜市を歩きながら食べます。屋台では「營養三明治」と頼みましょう。頼めば具を増やしてくれる屋台もあります。
台湾各地では
- 北部
- 基隆の廟口夜市がこのサンドイッチの本場です。仁三路の58番の屋台、天盛鋪(Tian Sheng Pu)は生地から自家製で、長い行列ができます。

