どんな料理か
牛肉麺(牛肉麵)は、小麦の麺、煮込んだ牛肉、スープからなる料理です。定番は紅燒(ホンシャオ)で、醤油ベースの色の濃いスープに香辛料と豆板醤をきかせます。醤油を使わない清燉(チントゥン)もあり、トマト味もよく見かけます。たいてい高菜漬け(酸菜)と青ねぎが添えられます。
生い立ち
農業が中心だった台湾では、牛は田を耕す働き手で、食べない家庭も多く、牛肉は日常の食べ物ではありませんでした。それが変わったのは1949年以降、国民党の兵士が大勢この島に移り住んでからです。1951年に始まったアメリカの援助には小麦粉も含まれ、麺が広まる後押しになりました。牛肉を食べる習慣は、軍人とその家族が暮らす眷村から外へ広がっていきます。
紅燒の牛肉麺がどこで生まれたかには諸説あります。台湾での別名「川味牛肉麵」(四川風牛肉麺)は四川出身の退役軍人を思わせますが、四川には別の種類の牛肉麺があります。食文化史家の逯耀東は、これは台湾で生まれた料理で、高雄の岡山の眷村が発祥かもしれないと論じました。岡山には1949年から空軍士官学校が置かれ、その家族には四川出身者が多くいました。味の要である辛い豆板醤を岡山で初めて売り物として作ったのは、戦時中に四川で醤づくりを身につけた空軍の事務員、Liu Ming-teh氏だったようです。ほかにも、駅の近くで内臓の煮込みと麺を売った山東出身の退役軍人に始まるという説や、米軍の牛肉の缶詰に由来するという説があります。
清燉は、回族のムスリム兵士が持ち込んだ蘭州の麺の流れをくむといわれます。2005年に始まった台北の牛肉麺フェスティバルは、店がよりよい食材と洗練された調理をめざすきっかけになりました。
作り方
牛骨を、ときには骨髄や内臓と一緒に何時間も煮てスープをとります。一日以上火を入れ続ける店もあります。紅燒の場合は、牛肉を下ゆでしてから、ねぎ、生姜、八角、豆板醤(豆瓣醬)と炒め、醤油のスープで煮込みます。部位はすね、ブリスケット、肩ロースが一般的で、すじ肉と合わせた「半筋半肉」もよく見かけます。幅広麺や刀削麺はスープをよく含み、細麺はつるりとした口当たりです。
食べ方
昼にも夜にも食べる料理です。高菜漬けは定番の追加で、好みの量を入れます。麺をたれであえた汁なし(拌麵)を出す店もあります。煮込んだ押し豆腐や海藻などの冷たい小皿を一緒に頼むことがよくあります。
台湾各地では
- 高雄
- 高雄が発祥を名乗る根拠は岡山です。四川出身の空軍の家族が住みつき、辛い豆板醤が地元の名産になった土地です。海軍の眷村の中心にある左營には、市内でも指折りの有名な牛肉麺店が集まっています。
- 北部
- 2005年に始まった台北の牛肉麺フェスティバルでは、紅燒、清燉、創作の部門で料理人の腕を競ってきました。市が出したフェスティバルの宣伝文は、岡山発祥説を支持しています。






